私は、前職時代、自分の部下に対して頻繁にこんなことを言っていました。
調子の良い時は、頑張らんでもいいよ！
逆に調子の悪い時こそがんばりなさい。
そこで、人間大きな差がつくから…。
調子が良い時、気分が良い時というのは、人間放っておいても笑顔で仕事ができるし、声も出る。または、積極的に人の手伝いもする。
わざわざ『がんばろう！』なんて思わなくても、頑張れている。
反対に、しんどい時、気分が乗らない時にいかに、気合いを入れて踏ん張れるか？
調子の悪い時に、いかにパフォーマンスの下げ止まりをすることが出来るかで、踏ん張れない人と大きな差になって表れてきます。
マラソンのレースで例えると、スタートしてから5kmや10kmを通過した段階だと、全てのランナーはまだまだ気力も体力も十分に残っているので、多少誰かがペースアップしても、他のランナーも楽々ついてくることができる。
しかし、一番苦しいと言われている35km地点だと、気力も体力も限界ギリギリになっている状態。そんな時に気力を振り絞って『えいやっ！！』と心の中で気合いを入れて、スパートをかけると、後続との差が一気に10メートル、20メートルと開く時が非常に多い。
そんな感じです。
踏ん張りのきく人を見て、私は尊敬の念を込めてこんな風に言っていました。
『お前は、値打ちのある奴やなぁ～（大阪弁）』
反対に、踏ん張れない子にはこんな言葉を
『お前は、値打ちのないやっちゃなぁ～（超大阪弁）。アカンやっちゃなぁ～。』
（※念のためですが、このケースでの値打ちというのは『一目（いちもく）置ける人かそうでない人か』という意味で使っています。そもそもの人間の価値について言っている訳ではありません。）
踏ん張りがきかない人というのは、調子の良い時に100点満点中、80点のパフォーマンスを発揮しても、ダメな時に20点くらいまで落ちるので、平均すると50点です。
もっと、言うと、調子の悪い時の方が長いので、長い目でみたらその人のパフォーマンスの平均点は30点くらいまで落ちます。
踏ん張りがきく人というのは、調子の良い時に80点のパフォーマンスを発揮し、ダメな時でも60点くらいは出すので、平均すると70点くらいになります。
これが、半年、1年経過した時の成長の差となり、仕事の評価になります。
ですから、上司としては、いかに部下に『踏んばらせる力』、『粘り強さ』を植え付けるかが非常に大事です。この力が備わらないと、可能性を大きく引き出すことは不可能です。
では、どうすれば良いのか？
飲食店のお店であれば、例えば、常に掃除を徹底させる。笑顔で元気な挨拶を徹底させる。という所からがスタートではないでしょうか？
要は、凡事徹底というやつです。
私のご支援先の繁盛店の経営者様は、本当にみんな揃って、口が酸っぱくなるくらいに『挨拶』・『掃除』などの『基本の徹底』を言い続けていらっしゃいます。
機嫌が良かろうが、悪かろうが、どんな時でも掃除を手を抜かずにさせる。
モチベーションが高かろうが、低かろうが、挨拶をしっかりとさせる。
こういう当たり前の点をしつこくしつこくやり抜かせる根気強さが必要なのではないか？と思います。
もちろん、指導方法にバリエーションは必要です。
・相手を乗せてあげながら伝える
・厳しく伝える
・励ます
・相手が根負けするくらい伝える
・踏ん張っている姿をみたらほめる
・手を抜いている所を見つけたら叱る
・ある程度、成長が見えたら、今度は言わなくてもできる様に見守る
・良いチームワークを作る
・部下との信頼関係をしっかりと築いておく
根気強く、根気強くスタッフを見ながら、『下げ止まり』をする力を備え付けさせる。
どんなに気分が乗らなくても、やるべきことはしっかりとさせる。
そんな地道な基礎トレーニングが、そのスタッフの可能性を大きく開かせる一歩になるのかな？と思います。
実際には、注意すると拗ねたり、ふて腐れたり、逆切れする人も多いので、本当に我慢と粘りが求められるところです（泣）
昔と違って、今は『しんどかったら無理せんでいいからねぇ～』、『嫌だったら無理してやらなくてもいいからねぇ～』などと、くそ甘いぬるま湯の育て方をされたスタッフも多いので、余計にリーダーは粘りと根気が必要になります。
もちろん、本当に無理がきく状態なのか？そうでないのか？はしっかりと見極める必要がありますが、是非あなたのスタッフをしんどい時でも踏ん張りがきく、『値打ちのあるスタッフ』に育て、スタッフの可能性をたくさん引き出してあげたいですね！
『しんどくなってからが勝負所やぞ！』
『ここからが、みんなと差がつく所だから、俺たちは絶対に踏んばろうな！』
そんな号令をかけながら、みんなで『踏ん張る力』を手に入れ、大きな自信や成長につなげていって欲しいなって思います。
そんな私は、毎日気分が乗ろうが、乗るまいが。忙しかろうが、暇だろうが、ブログを書き続け、ウォーキングをし続ける『コツコツ力』を養っていきたいと思います。
