こんにちは。サービス業で店舗展開を目指す成長意欲の高い経営者様の『外部の右腕』として、ご支援先のビジョン実現を『人(育成・チーム作り)』の面でサポートする村上 俊洋です。
先日、ある会社のミーティングに参加した時の話しです。
各店舗でお店に貢献して下さったアルバイトさんに対してMVPの表彰を贈り、感謝を伝えようという話になった時、ある店舗の表彰されるべきパートさんの下のお名前が非常に読みづらく、担当の店長に確認した時の話しです。
『店長、○○さんって下のお名前なんて言うんですか?』と聞いた際、
店長:『すみません。。。ちょっと…。』
私も、『それはないやろ…』と思ったのですが、その場にいた社長が案の定、ブチ切れました。
社長:『お前、自分のアルバイトさんの名前すら分からんって一体どういうことやねん!!しかも、このスタッフさんは、ベテランでお店にも相当貢献して下さっている本当にありがたい人と違うんか?確かに、100人も200人もお前が抱えているアルバイトさんがいるなら、ちょっとど忘れ…。ということもあるやろうし、把握できていないことも理解できる。しかし、お前が抱えているアルバイトさんってせいぜい20人程度と違うんか(怒)』
社長:『お前、自分を支えてくれているアルバイトさんの名前すら分からんくらいに関心を示さんと、どうやってスタッフの心をつかんで信頼関係を築こうとしているんじゃ?お前がパートさんを大事にしているというのは、所詮シフトが困るから大事な存在程度にしか思ってないんじゃ。お前はパートさんをモノ扱いしとるんじゃ!わかっとるんか?そんな関心の示し方で本当の信頼関係なんか築けるはずないやろうが…』
とその際は、外部の人もいたので怒り方は通常の10%にも満たないレベルで抑えていらっしゃいましたが、その店長には相当響いたと思います。
普段の、10%程度の怒り方と言っても普通の人の軽く10倍くらいは迫力があると思います(笑)
フォローする訳ではありませんが、この店長さんは普段から本当にスタッフさんと信頼関係を築けていると思います。下の名前が出てこなかったのは、知らなかったのではなく突然フラれたので一瞬出てこなかっただけ…。
じゃないと、このアルバイトさんの様に長期間お店のためにこんなにも献身的に働いてくれませんから…。
ただ、社長からしたら、非常に信頼している店長の1人だからこそ、『もっとしっかりして欲しい!』または、他に参加している店長にも人の育成に関わる上で非常に大事なポイントを知っておいて欲しい。という強い気持ちがこういう展開にさせてしまったのだと思います。
しかも…。これくらい人のことに対して厳しく大事に考える社風だからこそ、会社のメンバー(社員・アルバイトさん問わず)の一体感と団結力が半端なく素晴らしい会社になっているんだと思います。
ですから、この店長の例はちょっと横に置いておいて…。話しを進めます。
人の育成に本気で関わろうとしたら、また相手と信頼関係を築こうとしたら…。
相手に興味をもって、自分から相手を知ろうとして関心を寄せるのが当然です。
その中で、まず相手の名前を知る…。というのは第一歩なのではないでしょうか?
そこから始まって、その人にもよりますが、今までの経歴であったり、家族構成であったり、趣味であったり、学生時代に何をしていたのか?であったり、相手を知ろうとしたら興味がどんどん湧くはずです。
そして、お互いがプライベートな部分も含めて相手を深く理解していくことで人間関係が築けていけるのではないか?と…。
私も、200人の部下を抱えていた時に心がけていたこと。
・まず、1日も早く顔と名前を覚える
・誕生日を知る(覚えきれないので一覧表を作っていました)
・実家または、ひとり暮らし。既婚・未婚を知る。
・今、彼氏彼女がいるのか?を知る(セクハラ質問にはならない様に注意して下さいね!)
・健康状態を知る
・家族のことを含めて、プライベートが上手くいっているのかを知る
・社内で誰と仲が良いのか?を把握する
・(若いスタッフやアルバイトさんで実家の場合)両親が自社でアルバイトすることに対してどんな考えなのか?(協力的?または否定的?)を知る
などなどくらいは、把握していました。
理由は、相手との信頼関係を築くためには、相手のことを知ることが必要だからだけでなく、その人を取り囲むプライベートなことが仕事のパフォーマンスにも大なり小なり必ず影響するからです。
ですから、本気で人の成長に関わろうとしたら、この程度普通は知ろうとしませんか?というのが私の考えでもあります。
多分、スタッフのことを知ろうとしていない、リーダーは、スタッフの日々の心の状況などを知ることはできません。
自分のスタッフのことに興味をもって、知ろうとしないと相手のことは分からないはずです。
こんな状態では、人心掌握など夢のまた夢です。
お互いが相手のプライベートな面まで理解し(もちろん、全てとは言いませんが)、お互いが人として慎重し合い、配慮する。
それがあって、仕事の枠を超えて、人対人で助け合いの精神が生まれるのではないか?と思います。
「仕事だからやって下さいね」というのは、簡単です。
しかし、それでは「仕事で決められた以上のことはやりません…」ということになっても仕方がありません。
それでは、あまりにも寂しすぎます。
何かの縁で出会ったスタッフを育てる為に、相手のことに強い関心を寄せ、本気で関わる。そして、大事にしてあげる。
その結果、スタッフが「この店長のためだったら何とか力になりたい!」という様な関係が築けるのではないでしょうか?
「この店長にほめられたら最高に嬉しい!!」または、「この店長にだったら叱られても仕方がない…」という関係が生まれるのではないでしょうか?
これは、私の育成に関する考え方の基本中の基本です。
ですから、私はご支援先に関わる際、必ずスタッフさんの顔と名前を一致させる所から必ずスタートさせます。(もちろん、年齢的にど忘れしてすぐに名前が出てこない時はありますが…)
名前も、知らん。
自分のことを知ってくれていない人と信頼関係など築けないと思っているからです。
あなた。またはあなたの会社の店長達は、スタッフさんの名前やスタッフさんのことをどれだけ知っているでしょうか?
もちろん、複数店舗を抱える経営者の方は、全店舗のアルバイトさんのことを100%把握するというのは難しいとは思いますが、担当の店長なら知っておいて欲しいです。
アルバイトさんの、学校のこと、家族の事、恋人関係、健康状態、趣味、将来の目標、親の仕事に対する考え方などなど…。
これ、全て仕事に影響を与えますから。