こんにちは。サービス業で店舗展開を目指す成長意欲の高い経営者様の『外部の右腕』として、ご支援先のビジョン実現を『人(育成・チーム作り)』の面でサポートする村上 俊洋です。
居酒屋さんを始め、飲食店の多くは元々利益率が高い業態ではありません。
ですから、店長達は利益を確保するために『食材原価』だけでなく、『人件費』においても極力ムダ・ムラを発生させないように努力されています。
アルバイトさんのシフトに関しても、元々シフトは1ヵ月または2週間単位などで組んでいるのですが、突然シフトに入ってもらうように協力依頼をしたり、シフトには入っていたものの、あまりにも天候が悪くお客様が少ないので、状況を見て予定よりも少し早く上がってもらうことを依頼することあります。
先日、ご支援先の居酒屋さんの店長さんとお話ししていて、こんな話があったと教えてくれました。
その日、アルバイトのA君は18時~24時までの勤務予定。
でも、20時くらいになってもお店は全然忙しくならず、その日は社員の数も充足していたため、20時半で上がってもらうようにお願いして退勤してもらったらしいのです。
でも…。いつもはそんな遅い時間は忙しくならないのに、その日に限って22時を回って、急に団体さんが何組か入ってきて急にお店が忙しくなった…。
店長は『しまった…。A君に帰ってもらうんじゃなかった…(読みが完全に外れてしまった…)』
と思った時、A君からまさかの電話があったそうです。
A君『店長、まだお店の最寄駅付近でブラブラしていたんですが、お店大丈夫ですか?』と…。
店長はすかさず、A君にお店に戻ってきてもらうようにお願いし、A君のおかげで全てのお客様に満足してお帰り頂いたと…。
私は、その話を聞いて『店長とA君は非常に強い信頼関係があるんだなぁ~』と感心しました。
余程、そのスタッフと店長の人間関係が出来ている。またスタッフがそのお店のことを好きで無い限り、そんなことはありませんから…。
人の価値観はそれぞれ全く違います。
仕事をする目的も人それぞれ全く違います。
また、人は『理屈』よりも『感情』に大きな影響を受けます。
スタッフは、将棋の駒でもありませんし、リーダーの私物でもありませんので、気持ちよくお店に協力してもらうためには、アルバイトさんそれぞれの状況や心境を察する配慮を忘れてはいけません。
店長がいくら会社のことを考え、『人件費で無駄を抑える為には仕方がない…』と思っても、スタッフには人それぞれの事情もあったりします…。
もちろん、『この店長ならサポートしたい!』とスタッフに思ってもらえるような信頼関係を築く努力も行わなければなりません。
これを怠って、『今日は暇だから、アルバイトさんに早めに上がってもらおう…』、『本当は週に4回でアルバイトに入ってもらうという約束だったけど、暇な時期になったので週3回に減らしてもらおう』とお店の都合で一方的に伝えてしまったら、もしかしたら取り返しのつかないことも起こり得ます。
(勤務は続けてくれたとしても、モチベーションの下がった状態では良い仕事をするのは難しい場合もあります)
スタッフはみんな店長と同じ気持ち、同じ状況で仕事をしているとは限りません。
人はみんな状況も、気持ちもそれぞれ違っている…ということを忘れず、一人一人の気持ちを知ろうとし、細かい気遣いを行っていくことが非常に大事になります。
かと言って、経営は大事ですからアルバイトさんのシフトを削ることが必要なときだってたくさんあります。
私がお伝えしたいのは…
・『本当にその子のシフトを削っても大丈夫でしょうか?』
※お金を必要としてできるだけたくさん稼ぎたいと思っているアルバイトさんもいれば、お小遣いが稼げたら、後は時間的な自由が欲しいので必死にアルバイトしたくない。と感じているアルバイトさんもいます。
・『もしかして、お願いしたらもっと働いてくれるアルバイトさんはいるのではないでしょうか?』
※週に3回と決まっているから、週3回でシフトを組んでいるけど、夏休みなど時間がある時はお願いしたら系列店舗のヘルプで協力してくれる人もいるかも知れません。
・『その子は、もっと色んな役割を与えてあげた方がやりがいを感じるのではないでしょうか?』または、『その新人さんに焦ってそんなに仕事を詰め込んで教えて大丈夫ですか?』
※仕事に慣れていない段階で詰め込みすぎたら、楽しさを感じず大変さだけがクローズアップするので、次第にシフトに入りたいと思わなくなりますよ。という話し。
など…。人それぞれ心境が違うので、アルバイトさんの事を知ろうとする努力、何かお願いする時の丁寧な説明、何かしてくれた時の感謝の気持ちなどの配慮や心配りがあれば、不要なスタッフのモチベーションダウンも防げるし、逆に会社にとってさらに有効活用できる可能性もあるという話です。
私の失敗体験をお伝えすると…
営業会議などを行って、数字やデータを分析していると、頭の中が『理屈脳』になってしまい、ついつい人には『感情』があるということを忘れて、何の配慮もなく会社の都合を押し付け指示・命令などのお願いをして、スタッフのやる気をダウンさせる…という失敗をしてしまったことがたくさんありました…。
あなたにはそんな失敗をして欲しくないなぁ~と思う気持ちが非常に強いです。
スタッフの気持ちに寄り添い、『感情』を知ろうとする努力。
これは、人心掌握の長けているリーダーの多くが細心の注意を配って行っていることです。
是非、こちらの都合や理屈を押し付けて失敗した私の例ではなく、人心掌握に長けている、リーダーの細心の心配りや配慮を見習って、12月の忘年会シーズンを最高の状態で迎えて頂きたいと思います!(^^)!